日本人間ドッグ学会

  • ホーム
  • よくある質問
  • お問い合せ

総合評価・領域別評価

三重県厚生農業協同組合連合会 鈴鹿中央総合病院 健診センター オリーブ

総合評価

 三重県厚生農業協同組合連合会・鈴鹿中央総合病院は、地域医療支援病院や災害拠点病院などの役割を果たしており、基幹病院として高度医療や救急医療などに取り組んでいる。健診センター「オリーブ」は、平成16年に開設され、健康増進・維持のため中核的な役割を果たしており、各医療機関との密接な連携により安心・信頼できる健診の充実に向けて努力・工夫している。
 年間の受診者数は、一日ドックが約4,600人(継続受診率87.1%)、その他の健診が約2,300人である。実施可能人数が限られているため、受診者数は前回受審時より大きく変化していない。本機能評価は平成18年に初回認定を受け、今回が2回目の更新審査である。
 平成25年、病院の電子カルテ導入と同時に健診システムも連動させており、情報管理体制の充実に伴ってフォローアップ体制も確立させている。各医療機関との密接な連携やサービス改善の取り組みは良好で、前回の機能評価受審時の課題の多くが改善されている。今後、専門職による保健指導の取り組みが強化されることを期待する。
 運営のための基本的体制については、理念や基本方針、規程類が整備され、組織体制は確立している。料金収受など会計処理も問題なく対応されている。健診システムと電子カルテとの連動により、確実で即時性のある情報システムが構築されており、情報保護の面も強化されている。委託業務や在庫管理も適切で、災害拠点病院のため広域災害への体制も良好である。職員の安全衛生面にも配慮し、健保組合などとの契約も適切である。
 受診者の満足と安心の面では、受付や検査は受診者が快適に受診できるように配慮されている。検査体制とセーフティーマネージメントの体制は確立している。
 健診の質の面では、実態に応じて医師や保健師などのスタッフ体制を構築しているが、今後、管理栄養士の関与を望みたい。スタッフに対して医療安全や感染制御など必要な課題への研修が行われ、専門的研修も図られている。検査項目の見直しが行われ、結果判定には呼吸器や消化器などの専門医が関与している。全受診者に対して健診当日に結果説明が行われており高く評価できるが、保健指導は専門職の関与が弱く、今後一層の取り組みに期待したい。
 受診後のフォローアップ体制は平成26年から強化されており、実施率向上に向け継続的な取り組みを期待する。各医療機関との連携は良好であり、精密検査や治療の指示者の状況を把握する仕組みも確立されている。日本人間ドック学会の全国集計調査やがん検診の実態調査にも協力し、学会活動は良好である。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。
 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針は策定され、見直しも行われており、院内外への周知も良好である。受診者の権利も明示され、カルテの閲覧などの対応も図られている。職業倫理に関する規定や職員の相談窓口が整備され、対応する委員会が設置されている。事例発生が無い場合でも、定期的に報告・検討する場があれば更に評価できる。中期計画や事業計画、予算などは三重県厚生連で纏められ、詳細な内容は病院で策定されており、健診センターとしても進捗等が確認されている。
 健診センターの組織図は、職員構成、指揮命令系統が明示されている。組織運営は、スタッフ会議を中心に関係部署との連携を図っている。今後、渉外の面を活動の視点のひとつとされたい。料金収受などを含めた会計処理は、担当部署の責任のもと確実に行われている。
 情報システムは病院全体で管理され、健診システムは電子カルテと連動し、パスワードの更新など個人情報の管理は徹底している。委託業務も病院全体で評価を行い、清掃はチェックリストにより日々確認している。薬剤や診療材料の発注と検収も病院全体で管理している。薬剤部や施設資材課が発注し、在庫確認は年2回行われ、実態に応じた管理体制が構築されている。
 安全衛生管理については、健診センターの責任医師が産業医として選任され、職員の健康診断が行われている。防火・防災管理委員会や災害対策委員会が機能し、災害拠点病院として健診センターの職員の意識も高く、訓練や研修会に参加しており良好である。感染性廃棄物や個人情報の書類の廃棄は業者に委託し、処理確認もマニフェストにて行っている。
 健保組合等との契約は、単年度契約のため毎年見直されている。更新時期にオプション検査などの必要な情報は提供されており問題はないが、パンフレットや広報紙だけでなく、細やかな情報提供が行われると更に評価できる。

2.受診者の満足と安心

 利便性への配慮として、時間差の受付や検査内容に応じた女性技師の対応、また、検査時間の柔軟な対応が行われている。検査の担当者は名札を着用しているが、検査室の担当者の表示方法は受診者から見え難く、また表示の無い場所も見受けられ、更なる配慮を期待する。既往歴などの受診者情報は健診システムに記録され、検査時に把握されている。施設内は清潔で快適な受診環境が整備されている。
 プライバシーに関しては、名前での呼び出しを希望しない場合は、番号で対応している。診察室と検査室は個別で仕切られているが、採血や身体計測、保健指導の場所は低いパーティションで仕切られており、周囲から検査数値等が見えたり声が聞こえたりしないよう、更なる工夫を望む。同様に、受付の混雑時は2列で行うが、つい立てを設置するなどの配慮が望まれる。
 検体検査は、併設病院で行われ、管理体制は確立している。各検査機器の管理についても、マニュアルが整備され、トラブル発生時の対応も適切である。
 業務改善については、受診者からの意見や要望に対応する仕組みがあり、意見箱の常設や年1回のアンケートにより意見を収集している。前回の機能評価受審時の課題に取り組んでおり、今後は保健指導の整備に取り組まれたい。
 セーフティーマネージメントの体制は確立し、事故防止の仕組みも整備されている。今後は、緊急時の対応訓練が定期的に実施されるとより良い。感染対策の体制は、受診者や職員への対策が確立しており、職員への予防接種など対応内容も適切である。

3.人間ドック健診の質の確保

 医師体制は、常勤医3名を中心に病院の各専門医が関与している。保健師や看護師なども専従者を配置し、関係部署との連携により実態に応じた体制を構築している。管理栄養士の関与は今後の課題である。
 教育体制は、全職員を対象に、病院の年間計画に基づき実施されている。研修内容は必要な課題を取り上げており、学会や研修会にも参加している。各職種における専門的研修も、自己研鑽を図るために積極的に取り組まれ、研修体制は確立している。
 検査項目は、日本人間ドック学会が掲示している項目であり、オプション検査も充実している。胸部X線や内視鏡検査、心電図等の読影には専門医が関与し、上部消化管X線と胸部X線は専門医とのダブルチェックが行われている。また、循環器専門医や眼科専門医も関与し、総合判定は人間ドック認定医が行っている。過去の健診結果は適切に管理され、判定や結果説明の際に容易に参照でき良好である。受診者への結果報告書には今回を含めて3年分の結果を記載し、比較がしやすく適切である。
 当日の医師による結果説明は全受診者に対して行われ、多くの検査項目について丁寧に時間をかけて説明されており、高く評価できる。専門職による保健指導は、医師の指示があった場合に保健師が対応している。十分な時間をかけて行われており、保健指導への積極的な姿勢は評価できるため、今後は限られた時間内でより多くの受診者に均等な指導を行えるような工夫も検討されるとより良い。管理栄養士や専門運動員による栄養・運動指導の実施にも期待する。
 受診後のフォローアップ体制については、後日の健診結果の質問や相談にマニュアルに基づいて対応している。精密検査や治療の指示者への受診勧奨は、平成26年から体制を強化して取り組んでいる。上部消化管内視鏡検査の精検指示率がやや高いため、定期的な見直しを望みたい。生活習慣病の追跡検査が必要な場合も、精密検査と同様の案内で受診勧奨し、3・6ヵ月後に経過確認を行っている。今後も、実施率向上への継続的な活動や工夫を望む。他施設への紹介の仕組みは適切で、各医療機関との情報交換も行われている。
 健診の精度や有用性の検討については、健診結果を年度毎に、受診者数、総合判定別、年代別に集計し、精密検査受診者数や項目別精検結果なども把握して、スタッフ会議などで報告・検討している。日本人間ドック学会の全国集計調査等に協力し、学術大会にも毎年発表しており、健診結果を活用する取り組みは良好である。

<<<機能評価認定施設一覧へ戻る

PAGE TOP