日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

広島赤十字・原爆病院 健康管理センター

総合評価

 広島赤十字原爆病院・健康管理センターは、日本赤十字を母体とする病院の診療部門・健診部として昭和60年より健診業務を始め、今月で満30年を迎えた。人間ドックは昭和32年に行われた記録も残り、人間ドック業務についてはこの地域はもとより、先進的に取り組んでいることを誇りに日々の業務に励んでいる施設である。
 年間の受診者数は一日ドックが約4,600人、二日ドックが約1,000人(継続受診率約80.7%)、その他の健診が約3,100人である。平成18年に初回認定を取得し、今回が2回目の更新審査である。
 受診者の満足と安心では、前回更新時の課題として、パーテーションや検査室などがオープンであり、プライバシーの配慮に若干の問題が見受けられた。平成28年5月に改装・移転を予定しており、その際に改善が期待できる。また、乳がん検診や婦人科検診などで、病院の診療部を使用していることについても、健診部で完結できる方向で検討するとのことであった。スリッパは消毒・再利用のものであるが、しっかりとしたもので、受診者の評判がいいものに変えていた。食事も移転後はサラダバーを設置するなど、斬新的なアイディアを実行する予定である。
 健診の質では、画像はダブル、またはトリプルチェックで判定を行っており、当日の医師による結果説明は、常勤医師3名体制で実施し、看護職による保健指導もほぼ全員に実施されている点は評価できる。
 前回の指摘事項であった健診後のフォローアップ体制については、精密検査が必要な受診者に対してフォローするシステムを構築し、運用も順調に行われている。追跡検査についても、フォローの仕組みが構築されているので、今後の充実に期待したいところである。
 老朽化した施設ではあるものの、充実した健診サービスを提供してきたが、移転後は改装した新施設において、今よりも格段に快適に受診できることは想像にかたくなく、大いに期待したいところである。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。
 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 健診部門独自の理念と基本方針を定めており掲示やホームページ、院内LANで周知している。前回指摘されていた受診者の権利と責務も具体的に文章化されている。就業規則や職員倫理規程、ハラスメント規程、個人情報保護規程等も定められている。
 中長期計画と年度事業計画、および予算は健診部運営会議にて策定され、年報も作成されている。組織図は実態に即して作成され、見直しも行っている。委員会も含め会議体は整備され、議事録が残されている。料金収受および会計処理は適切に行われている。収納は自動精算機で対応し、契約団体等からの後日請求や収納、会計処理、会計報告は手順書に基づき行われている。
 情報システム運用管理規程があり、トラブル対策も策定されている。新病院内のサーバー室の入退室は許可された者のみで、IDカードと指紋認証の二重で管理し、併せて防犯カメラ体制も整備され、高いセキュリティが保持されている。
 委託業務は入札方式も含めて決められた年数で見直しが行われ、契約書も確実に作成されている。また、教育研修についても把握しており、業者を評価する視点があり、改善依頼や指導を行っている。医薬品の管理や発注マニュアル等も整備されており、適正在庫数を定め、月次で病院薬剤師が管理簿により、定数や使用期限を確認している。
 病院の安全衛生委員会に参加し、職員健診等の健康管理を行い、防火訓練も実施されている。医療廃棄物等は廃棄物処理要綱や手順書に沿って対処している。
 企業や健保等と個別に契約書を交わしており、適切な関係が維持されている。毎年行われる「人間ドック健診説明会」や「赤十字フェスタ」等の各種活動を計画し、積極的に実施しており評価すべき点である。

2.受診者の満足と安心

 利便性については、マンモグラフィーや心電図は女性技師が実施している。乳がんと子宮がん検診は併設病院ではあるが、診療の空き時間に毎日実施している。
 受付はマニュアルにそって実施しており、リーダー看護師がコーディネーターとなり、検査が円滑に受けられるよう配慮され、スケジュール表もわかりやすいものが作られている。部屋に担当医師名や技師名の掲示はあるが、看護師名や保健師名の掲示はないので検討されたい。老朽化した施設であるが、清掃は行き届き、ゆったりしたスペースが確保されており、健康情報の手作りの掲示は優れている。
 プライバシーに関しては、予め割り当てられた番号で呼び出し、名札に番号も大きく表示されているので、解りやすい。プライバシーの問題に関しては、移転・改装時に解消されると考えられる。乳がん検診や子宮がん検診、内視鏡は病院の診療部門で、時間を分けて接触を避けて実施されているが、今後さらに改善されることを期待したい。
 検体検査を始めとして、検査機器も含めて精度管理、日々のメンテナンスも適切に行われ、その記録もされている。
 受診者の意見は、ご意見箱とアンケートの配布、及び直接聞いた意見を記録する「気づき相談ノート」を活用し、改善委員会で検討している。このように受診者の意見も積極的に取り入れ、改善活動も行われており、移転・改装後はさらに充実したものになることが期待できる。
 セーフティーマネジメントでは、病院の委員会に健診スタッフが委員として参加しており、インシデントアクシデントレポートを院内LANで管理し活用している。感染管理についても確立した体制で行われており、予防接種など職員の感染防止対策も実施されている。

3.人間ドック健診の質の確保

 医師の体制は、常勤3名の医師と病院兼務医師の応援体制で業務を行っている。医療職の人数も適切で、必要な専門資格を取得している。採用時のオリエンテーションや接遇・安全管理等の各種研修を、全職員を対象として実施している。また人間ドック学会等に、積極的に計画的に参加している。
 検査項目は学会指定の基本検査に加え、多くのオプション検査を設定している。画像検査は二重読影で、特に胸部X線はトリプルチェックで判定しており評価できる。判定基準は、日本人間ドック学会の判定基準に準拠している。
 健診結果は適切に保管・管理されており、過去画像や結果報告書が参照できる。画像は前回、他は前々回も含めた過去2回の結果を明示している。
 当日の医師による結果説明は、3名の医師でほぼ全受診者に実施している。医師1人あたり11人で、説明時間は平均10分前後を掛けている。医師説明後、看護職がほぼ全員に保健指導を行っている。必要時に管理栄養士による個別栄養指導も行っており、運動指導では理学療法士等による健康体操等を実施している。
 受診後の問合せ先はフォローカードに記入している。また独自に設定したフォローアップ健診を案内していることは評価できる。要精密検査の場合、自院には電子カルテで紹介や検査予約を行っており、他院の場合は紹介状を送付している。後日精査結果が把握できない場合、3か月後に”おたずね状”を発送し、実態把握に努力をしていることは評価に値する。追跡項目についても受診状況の把握に努めているが、実施率の向上を期待する。
 健診の有用性の検討については、健診データの各種集計や分析を行い「人間ドック健診説明会」等で報告しており評価できる。

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