日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

東日本電信電話株式会社 NTT東日本関東病院 【非施設会員】

総合評価

 NTT東日本関東病院・予防医学センターは、病院の併設施設として平成16年度に開設している。
 年間の受診者数は、一日ドック約11,000人、二日ドック約2,500人(継続受診率61.8%)、その他健診約18,000人であり、増加傾向にある。本機能評価は平成17年度に初回認定を受け、今回が2回目の更新審査である。
 前回の受審以降の取り組みとして、人間ドック料金の見直しやドック専用の内視鏡センターの設置、食事施設の充実を図るなど、受診者の満足に貢献している。
 施設運営の基本事項については、規定とマニュアルが整備されているが、必要な記録の一部に不備があり検討が望まれる。情報システムはセキュリティ強化のためパスワードの定期的な変更が行われ、また、感染管理については感染性廃棄物処分現場の見学が実施されており、評価できる。
 受診者の満足と安心に配慮した体制が整備されているが、プライバシーに関しては、前回受審時に指摘されたオープンスペースで行われる一部の検査に、更なる配慮が求められる。検体検査の管理体制とセーフティーマネージメント、感染対策の体制は病院と一体で確立している。
 健診の質の面では、職員の体制は、人間ドック健診専門医など多数の専門医を揃えており、医療職も各専門職員が配置されている。スタッフ教育は、病院の年間教育計画に参加しており適切であるが、参加記録の管理は改善が望まれる。過去の健診結果は適切に保管されており、結果説明時に画像も含めて迅速に参照することができる。医師による健診結果の説明が、健診当日に10分~20分かけて全受診者に行われていることは、高く評価できる。保健師や管理栄養士により各種指導が行われているが、実施数が少ないので、更なる充実が望まれる。
 受診後のフォローアップについては、精密検査の受診が確認できない場合には、書状による受診勧奨を行う体制を整備したところであり、今後に期待したい。追跡検査が必要な受診者への受診勧奨の仕組みについても、今回の受審を機に整備されており、継続的な取り組みを望む。また、NTT東日本関東病院以外の医療機関との連携についても、更なる積極的な情報交換等が望まれる。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。
 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 センター独自の理念と基本方針が確立され、見直しの仕組みもある。就業規則や職業倫理は法人で一元管理され、院内ホームページにて職員に周知されている。職業倫理については、セクハラ防止や相談窓口に関する規定を制定している。相談電話番号は社内と社外受付があり、各職員が選定して相談できる体制が確立しており評価出来る。受診者の権利については、基本方針に「権利と人格の尊重」の一文が記載されており、病院の患者の権利と個人情報保護方針に基づいている。
 中長期計画は各部署の意見を反映して作成され、受診者の増加を目標に掲げて毎年概ね達成している。年度事業計画や事業報告は病院の部長会議等で報告、周知されている。
 組織体制については、病院の健診部門という位置付けであり、センター独自の組織図は作成されていないが、業務従事者一覧表は作成され明確になっている。予防医学センター会議が開催されており、病院の各委員会へも健診部門の代表者が参加している。検査項目と料金はパンフレット・ホームページ等に掲載され明確である。収受と会計処理は病院医事企画室が管理している。
 情報システムの管理体制は、病院のシステム課に人間ドック・健診担当者が配置され、適切に管理している。マニュアルは整備されており、緊急時の対応手順も確立されている。データ管理は徹底されており、パスワードが定期的に変更され、職種毎に閲覧制限が設定されており、評価できる。
 委託業者管理については、病院の契約基準により選定・評価・仕様の可否が契約書に記載され、契約が締結されている。個人情報保護の遵守についても記載されている。廃棄物処理業者の現地確認も実施しており良好である。薬剤や診療材料は定数カード方式で管理している。薬剤は病院の薬剤科が適正在庫の基準にて管理しており、発注と検収は適切である。
 安全衛生管理については、衛生委員会を毎月開催し、防災訓練も行われている。感染性廃棄物の最終保管場所の掲示は適切であり、感染性廃棄物マニフェストは病院で管理されている。職員の健康診断や個人情報関係書類の廃棄も概ね適切に行われているが、記録の管理は整理されたい。
 企業や健保組合、地域との関係については、広報紙を発行し、情報のフィードバックが適切になされている。

2.受診者の満足と安心

 利便性への配慮として、マンモグラフィはすべて女性医師が対応しており、わかりやすい受診案内書や健康調査票が事前に送付されている。
 受付手順やQ&A集などマニュアルが整備されており、検査開始時には検査内容や注意点が説明されている。検査の進行に関するマニュアルが作成されており、進行状況に応じて柔軟な対応がなされている。受診者の既往歴や治療歴、アレルギー歴などは職員間で共有されており、安心して受診出来る体制が整えられている。快適な施設環境への配慮も適切である。
 プライバシーへの配慮については、診察室や指導室などは個室化され適切である。オープンスペースで行われている検査はパーティションの設置等でプライバシーの確保に努めているが、一部の検査では更なる配慮が望まれる。検体は人目につかないように配慮されている。検査結果等に対する守秘義務の規定が作成されており、問い合わせへの対応手順も整備されている。
 検体検査は業務マニュアルに沿って実施され、内部・外部精度管理も適切に行われている。生理機能・超音波・放射線検査も業務マニュアルに沿って適切に行われている。
 業務改善については、投書箱の設置やアンケート調査により受診者の要望や意見の把握に努めており、予防医学センター会議などで検討し改善に役立てている。前回の機能評価で指摘された保健指導の充実については、更なる工夫や努力が望まれる。
 セーフティーマネージメントについては、マニュアルが作成されており、インシデント・アクシデントレポートの検討が行われ、再発防止に取り組んでいる。受診者の急変時への対応手順は明確になっており、全職員がBSLなどを受講している。感染対策については病院と一体でマニュアルが整備されており、職員へのワクチン接種なども適正に実施している。

3.人間ドック健診の質の確保

 医師の体制は整備されており、人間ドック健診専門医2人に加え、人間ドック認定医、認定内科医、循環器専門医、消化器病専門医などが関与しており評価できる。看護師や保健師、管理栄養士などの医療職は病院業務との兼任で揃っている。保健師6人が人間ドックアドバイザーの資格を有している。
 スタッフに対する教育は、病院の年間教育プログラムに参加しており適切である。看護部門や検査部門では専門的な研修が積極的に行われており、OJT記録や教育の有効性評価の記録等が確認でき、PDCAが機能している点は評価したい。しかし、医師や事務職の研修記録が確認できず、改善が望まれる。
 検査項目については、学会の提示する基本検査項目が適切に実施され、オプション項目の見直しも行われている。結果判定については、画像は放射線科医により読影されており、ダブルチェックされている。心電図は循環器医、眼底は眼科医により判定されている。判定基準は人間ドック学会の判定区分に準拠している。
 過去の健診結果は適切に保管・管理されており、結果説明時には画像も含めて過去の結果が迅速に参照可能となっている。医師による健診結果の説明が、健診当日に全受診者に対して10分~20分かけて行われていることは、高く評価できる。保健師や管理栄養士による各種指導も行われているが、実施数が少ない。運動指導は実施されておらず、各種指導の充実が望まれる。
 精密検査や治療が必要な受診者に対するフォローアップについては、結果報告書に紹介状を同封して返信してもらう仕組みである。至急受診が必要な場合の対応も明確である。未受診者に対する6か月後の受診勧奨体制を整備したところであり、今後に期待したい。精密検査の指示率は適切で、精密検査実施率の把握も適切になされている。今回の受審を機に、追跡検査が必要な受診者に対する受診勧奨の仕組みが整備されており、再検査時期に文書を発送している。今後、継続的に取り組まれ、体制が確立することを望む。
 健診の精度や有用性の検討については、学会発表や論文投稿が複数行われており、良好である。

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