日本人間ドッグ学会

  • ホーム
  • よくある質問
  • お問い合せ

総合評価・領域別評価

一般社団法人衛生文化協会 城西病院 予防医学部健診センター

総合評価

 城西病院・健診センターは同病院内に設置され、組織的には予防医学本部に位置付けされている。昭和50年に巡回健診を開始し、受診者の要望などにより平成6年に健診センターとして開設した。最寄りの荻窪駅から徒歩8分の現在地には平成17年に新築移転し、受診環境もさらに良くなっている。
 受診者も増加し、年間の受診者数は昨年の実績で、一日ドック約2,600人(継続受診率82.0%)、その他の健診は約9,100人である。平成17年に初回認定を受け、今回は2回目の更新審査である。
 病院はSIO9001(品質)と27001(情報セキュリティ)の認証を受け、また、日本医療機能評価機構による認定病院でもあり、健診センターも同様に基本的な体制は確立されている。
 施設運営の基本的体制については、理念や基本方針、健診部門の品質方針が明示され、長期計画や事業計画などを基本として、健全経営に努力・工夫されている。財務処理や情報システム管理など基本的な管理体制は確立されている。
 受診者の満足と安心に関しては、検査日や受付、女性医師による診察及び女性技師による検査の実施など利便性や環境面に配慮されており、検査の精度管理も良好で管理体制は確立している。セーフティーマネージメントや感染対策は、病院と一体で実施しており、再発防止や感染制御への取り組みは評価できる。
 健診の質に関しては、人員は実態に応じた体制を構築しているが、保健師や管理栄養士による保健指導体制については今後の検討課題である。職員研修の取り組みも今後の充実を期待する。検査結果における精度は、専門医も関与して維持されており、各データの保存もよく、比較・参照が容易に行える。当日の医師による結果説明は、ほとんどの受診者に対して丁寧に時間をかけて実施されており評価できる。精検受診率も高く、精密検査など受診後のフォローアップも良好に取り組まれている。また、連携する医療機関も明確にされ、受診者の要望に応えられている。今後は、健診結果の有効活用など有用性にも視野を広げられた活動を期待したい。
 病院の理念である「奉仕、信頼、研鑽・研修」を柱に、健診センターとして疾病予防機能の充実に向け積極的に取り組まれる姿勢は評価できる。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針は、健診センターの役割や機能が理解できる内容であり、健診部門の品質方針として「信頼される健診」など3項目を明文化し、健診への姿勢を表している。院内外への周知面において、受診者の権利も含め、広く周知する視点を持たれたい。職業倫理の方針をまとめ、個人情報保護も規定化されている。長期計画は予防医学本部として作成し、策定された事業計画や予算に対する報告・検討も行われている。
 組織図は実態に即した内容であり、健診センターを運営する会議体も確立されている。また、料金収納や会計処理など財務面での対応も組織的に処理されている。
 情報システムに関しては、サーバー室や個人パスワードの管理等に問題はなく、機器トラブル時の対応フローも明確である。委託業務は病院全体で管理し、業務内容についても評価している。診療材料は各部署で管理し、薬剤は当日使用分が薬剤科より補充される仕組みであるが、発注と検収の担当者は別にして内部牽制が働くように改善されたい。安全衛生管理に関しては、委員会活動や健康診断の実施に問題はなく、防災への取り組みも行われ、感染性廃棄物も規定に則り処理されている。
 健保組合など多くの団体と契約を締結し、必要時の更新も図られているが、契約先や地域への情報提供に、更なる工夫と努力を望みたい。

2.受診者の満足と安心

 受診者への利便性に関しては、土曜日にも健診日を設定しており、女性の受診者には女性技師が対応するだけでなく、診察も女性医師が対応するなどの配慮がなされている。
 受付は時間差での対応により混在を回避しており、フロアスタッフの応援体制も確立されている。2名のコーディネーターを配置することで、検査の順番を流動的に変え、待ち時間を少なくする工夫がなされている。受診者への対応マニュアルが整備されているほか、特記事項は担当者間でデータを共有している。
 施設が6Fと地下1Fに分離しており、各々のフロアで空調管理がなされているが、地下1Fの温度低下時には個別に対応している。待合室には閲覧図書も整備され、落ち着いたスペースであり、案内板も掲げられて健診の流れを分かりやすく示している。
 プライバシーへの配慮については、呼び出しを名前で行っているが要望により番号で呼ぶ体制がある。検査は個別に行うなど細やかな対応がなされている。組織全体でISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)を取得しており、マネジメントシステムに適合したマニュアルが作成されている。
 検体検査は併設する病院で実施され、内部精度管理および外部精度管理は確実に行われ、外部サーベイは高評価であった。
 受診者の要望や意見を取り上げ、集計および改善する仕組みが整えられている。業務改善ではISO9001を取得してPDCAサイクルで改善に取り組んでいる。前回指摘された保健師と管理栄養士の配置は、今後受診者増に伴う検討事項の一つである。
 セーフティーマネージメントについては、組織的な医療安全管理指針などにより体制が確立している。急変時に対応するスペースや人員が確保され、スタットコールの規定も作成されている。感染対策の体制については、感染防止マニュアルや内視鏡の消毒マニュアルが整備されている。感染症が疑われる受診者への対応基準があり、担当医の指示によって素早く対策がとられる仕組みである。

3.人間ドック健診の質の確保

 スタッフ体制では、実態に応じた医師が配置され、人間ドック認定医や人間ドック健診専門医などの専門医の関与も見られる。看護職や臨床検査技師、診療放射線技師も適正に配置されている。その一方で、保健師や管理栄養士の関与が望まれる。教育体制において、全職員対象の院内研修は実施されているが、接遇など重要な課題への実施は十分ではない。また医師以外の職種が学会や研修会に参加する体制の充実を期待する。
 検査項目は人間ドック学会が掲示する検査内容をもとに、定期的に検討されている。検査結果の判定において、放射線科医や眼科医などの専門医が関与し、判定精度が維持されている。
 すべての健診結果を保管しており、画像や臨床検査結果などは、過去の実績を容易に比較・参照できる。また、当日の医師による結果説明は、殆どの受診者に対して実施しており評価できる。しかしながら、栄養指導や保健指導などは医師が結果説明時に丁寧に行っているとはいえ、幅広い指導内容や専門性を発揮する職種の活用が、指導内容をさらに充実させる手段として有効であり、今後の課題の一つである。
 健診結果の問い合わせや相談に応ずる体制が構築され、内容は業務改善にも役立てている。精密検査や治療が必要な受診者へのフォローアップでは、要精検が必要な受診者に対し精密検査の受診を促しており、その結果精検受診率が高く極めて優れた体制といえる。一方、追跡調査への体制はやや弱い感を受けるが、追跡が必要な受診者へのフォローは適切に行われている。紹介医療機関は、連携医療機関名簿を作成し受診者の要望を受け入れて、状況に応じた紹介を行っている。
 健診結果について、異常者数などの実績を把握し実績を検討しているが、学会などが実施する調査研究への参加や学会発表など有用性への取り組みは、今後の活動に期待したい。

<<<機能評価認定施設一覧へ戻る

PAGE TOP