日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

医療法人社団進興会 せんだい総合健診クリニック

総合評価

 せんだい総合健診クリニックは、JR仙台駅から徒歩10分と交通至便なビルにあり、ワンフロアを男女別に分けて運用している。特に女性が安心して受診出来る環境に配慮されており、マンモグラフィやCT、MRI、上部消化管内視鏡検査など機器の充実も図られている。
 年間の受診者数は、一日ドックが約17,000人、二日ドックが約390人(継続受診率58.5%)で、その他の施設内健診が約11万人である。本機能評価は平成17年に初回認定を受け、今回が2回目の更新審査である。
 施設運営の面では、理念と基本方針、受診者の権利が明文化されており、職業倫理に関する規程類も整備されている。今後は倫理規定に反する行為の相談窓口を明確にすることが望まれる。予算書や事業計画、事業報告は法人で作成されているが、内容の具体化と、職員への周知を望む。また、会議等の議事録に不備、不足が見受けられたため、改善が必要である。安全衛生管理体制についても、監督庁への届け出受領印の不備について改善が望まれる。企業・健保・地域とは良好な関係を築いており、情報システムの管理体制も適切に行われている。
 受診者の満足と安心については、受付のスタッフが男女フロアそれぞれに十分な人数で配置されており、待ち時間の短縮が図られている。施設は清潔で快適な空間が保たれているが、一部検査の間仕切りや血液検体の取り扱いについては、プライバシーへの更なる配慮を期待する。業務改善の取り組みがなされているが、次年度に評価をするしくみを構築されたい。安全管理や感染対策にも組織的に取り組んでいるが、急変時対応について明記されたい。
 健診の質については、医師や保健看護職などのスタッフは十分な体制であるが、職員の教育体制は、全職員の確実な研修参加や専門的教育体制の充実といった点で検討が望まれる。検査項目や検査結果の判定は適切であるが、健診当日の医師による結果説明実施率は前回の機能評価受審時より低下している。平成27年度より実施率100%に向けた取り組みを開始しており、今後の実績に期待したい。
 フォローアップ体制は、精検受診率が全体的に低率に留まっており、追跡検査の受診率も低い。前回の機能評価受審時からの継続課題であり、今後の改善を強く求める。医療機関との連携は良好であり、健診結果の分析や学会発表も定期的に行われているが、がん検診のみならず生活習慣病についても健診結果の分析を行い、活用されることを期待する。
 総合的見地から、今後も継続的な改善への取り組みを行うことを期待し、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。
 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針は明文化され、職員や受診者への周知方法も適切である。就業規則が作成されている。受診者の権利は明文化され、内容も具体的である。
 中長期計画と年度事業計画は数値に留まり具体性に乏しく、健診施設として明確になることを望む。各部署の意見を取り入れる仕組みも構築されたい。収支報告や予算書は管理者にのみ周知されており、経営状況の職員への開示方法は今後検討されたい。
 組織図は、作成日の記載や定期的な見直しを求める。健診全体の管理会議や運営会議等は開催されているが、参加者の確認が出来ず、記録については改善を強く求める。健診料金の収納業務、および会計処理の担当者が確認できる書類がなく、明確にすることを望む。また、管理会議などで会計報告の実施をされたい。
 情報システムの管理体制は、担当者が明確で、アクセス制限やトラブル発生時のマニュアル等が整備され適切である。一方、委託業務については、業者の選定基準が設定されておらず、評価する仕組みも確立されていない。薬剤および診療材料の在庫管理は、発注と検収が同一人物であり、検討されたい。
 安全衛生管理体制については、監督官庁への届け出書類の施設控えとして収受印を受けることが必要である。消防訓練は実施しているものの、記録は確認できず、書類関係の整理を求める。感染性廃棄物の保管場所は入居ビルの共有管理部分であり、職員による施錠管理がなされているが、バイオハザードマークや管理責任者の明示等、表示方法は改善を望む。
 企業と健保、地域との関係について、担当者は明確になっているものの、契約書に契約先の印が押されていないものが多数あり、改善が必要である。

2.受診者の満足と安心

 フロアは男女別で、女性医師と女性技師による婦人科検診の実施や、乳がん検診前の十分な問診など、特に女性受診者への配慮に優れている。
 受付はマニュアルに基づき適切な対応がなされているが、今後は受診者同士の間に仕切りの設置も検討されたい。アレルギー歴等、前回受診時の情報は事前に受付および各検査担当へ配布されており、活用されている。
 検査ごとの対応マニュアルが整備され、各検査担当者が混雑具合等に配慮しながら受診者を次の検査に案内している。検査担当者は、検査室ごとに表示されるとより明確である。施設内は禁煙であり、清掃が行き届いている。
 プライバシーへの配慮として、番号での呼び出し希望を確認する仕組みがあり、検査室や診察室は個室である。身体測定場所は廊下側から見えないよう仕切りが設けられているものの、視力測定と同じスペースであるため、検査中の受診者同士が目に付かないよう更なる工夫を期待する。また、採血では、検体が受診者の目に触れない保管方法を望む。プライバシーマークが取得されており、電話やメール、来院等による結果照会への対応と本人確認が適切に行われている。
 検体検査の管理については、ブランチラボが設置されており、パニック値の取り扱いはマニュアルで定められ、内部・外部精度管理も適切である。その他の検査機器の管理も、マニュアルに基づいて業務や定期点検が適切に行われている。
 受診者の意見把握については、ドック終了後にアンケートを行い、回収率は約6割である。アンケート結果は定期的に討議され、改善活動に繋げるしくみがあるが、今後はそれらの取り組みを次年度に評価するしくみの構築を期待する。前回の機能評価受審時の指摘事項については、結果説明や精度管理の面では改善が認められるが、受診後のフォローアップや教育体制等は今後も改善の余地がある。
 セーフティーマネージメントについては、インシデント・アクシデントレポートの報告体制等が構築されているが、今後は経年的な検討がなされるとより良い。受診者の急変時の対応として、BLSの研修が年1回全職員を対象に実施されており、休養室やAEDの設置などのハード面も整っている。一方で、体調不良者への対応フローに意識消失時についての記載がなく、またその対応フローが職員に十分周知されていないので、検討を望む。感染対策は適切に実施されており、予防接種はインフルエンザが全職員、B型肝炎が看護スタッフ等を対象として実施されている。

3.人間ドック健診の質の確保

 職員体制については、男女フロアそれぞれに、各職種十分な人数が配置されている。常勤医師の専門医数はやや少なめだが、その分を非常勤医師で補っている。医師以外の医療職は専門領域の資格の取得に努めている。
 職員教育は実施されているが、年間計画に基づいて全員が確実に参加する体制が必要である。また、職種ごとの専門的内容の教育についても不十分である。教育体制について検討・評価・改善する仕組みの確立が喫緊の課題である。
 検査項目は日本人間ドック学会が提示する基本項目やオプション項目を含んでおり、定期的な見直し、検討も行われている。画像判定は、施設内のドック担当医と非常勤専門医によるダブルチェックが行われており、他の検査も専門医と専門的な知識を持った医師により、読影・判読されている。
 健診結果は電子・紙媒体共に適切に保管されている。健診当日の医師による結果説明は、一日ドックで実施率52%と低く、今年度から結果説明を内科診察と同時に行うことで、実施率の向上を図っている。保健指導については、スタッフは必要人数が確保されているが、担当医の指示があった受診者のみに実施しているため実施率は低く、向上に努められたい。二日ドック受診者は、近隣のスポーツセンターに運動指導を委託しているが、受診者の体調不良時の対応について確認しておくことが必要である。
 フォローアップ体制については、他院における精密検査実施状況の把握が不十分で、実施率は低率に留まっている。要精検対象者全員に紹介状を同封するなど、体制の早急な見直しを求めたい。精検結果は年1回、全職員を対象とする報告会が設けられている他、学会発表の情報としても活用されている。
 追跡検査については、3・6か月後に再検査の予約が入っていない受診者へ、確認および受診を促す手紙を送付しているが、低い実施率に留まっている。また、追跡検査の結果を検討する場が設けられていないため、整備されたい。
 外部医療機関との連携については、担当医からの紹介状や地域医療連携室との密な連絡など、積極的に行われている。今後は総合病院以外の近隣地域の診療所との積極的な連携や、受診者への連携機関情報の積極的な提供を望みたい。
 健診の有用性の検討については、がん発見率などが分析され、年1回院内で報告されている。人間ドック学会等の発表も各職種で定期的に行われており、今後は生活習慣病についても分析を行うとなお良い。

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