日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

社会福祉法人恩賜財団 済生会支部 福井県済生会病院

総合評価

 社会福祉法人恩賜財団済生会支部・福井県済生会病院健診センターは、昭和16年に診療所を開設以降、「救療済生」の創立理念を原点に臨床医療から予防医療にわたり質の高い医療の提供へ努力されてきた。約10年前に健診センターを別棟へ独立増築したことで予防医療と臨床医療の住み分けを行い、済生会グループとしての理念を継承しつつ健診センターの運営がなされている。
 年間の受診者数は、一日ドック約7,000人、二日ドック約2,300人(継続受診率69.1%)、その他の健診が約10,000人である。本機能評価は平成17年に初回認定を受けており、今回が2回目の更新審査である。
 済生会の事業計画の下、健診センター独自の実績管理ツールを開発し、ドック受診者の受け入れ人数から数値目標を設定し、運営している。日々の売上や受診者数等の統計を職員全員が確認できるネット環境が構築されており、情報の共有と可視化を組織強化の目標としている。全職員が経営参画する体制は非常に優れていると言える。今後は、それらのデータを基に、改善事項等の取り組み内容の詳細な分析が行われれば、模範的な管理体制となることが期待できる。
 施設内は明るく清潔で専有面積も大きく、吹き抜け・中庭があるなど、空間コーディネートは和みの環境として良好である。乳がん・子宮がん検診は女性検査技師により毎日実施されており、年1回日曜日も実施されている。検査前の女性専用待合室には、乳がんの触診アイテムが設置されているなど、積極的に体制づくりがなされている。
 一方で、視力測定ブースには仕切りがなく、パーティションの設置などが必要である。別の広い部屋を確保して仕切りを設置するなどの改修が予定されている。
 人間ドックの質確保においては、健診当日にほぼ全項目についての結果が説明されている。また、日本人間ドック学会や他の学会に多数発表しており、乳がん検診における超音波検査の有効性を検証するJ-STARTに参画して1500例の実績を持つなど、積極的な姿勢は特筆に値する。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針はセンター独自でも謳われており、職員も名鑑の一部として携帯し熟知に至っている。受診者の権利は、受診者、職員向け両面からの提唱がなされるなど徹底されている。
 組織図はわかりやすく表記されている。ISO9001も併せて取得しており、マニュアルの整備や改正も随時適切に行われている。
 中長期計画や事業計画は病院として策定され、それをもとにセンター独自の計画も設けられ、実績が確認できる。職員用ポータルサイトにて、各種委員会報告や連絡事項、日々の受診者数や売上などの統計数字を全職員が閲覧可能である。情報の可視化により経営参画が容易になる組織体制は評価できる。財務および会計処理も適切である。
 情報管理体制は病院にて一括管理されているが、マニュアルにはセンターの管理事項も追記され、実態に沿っている。院内では職員用ポータルサイトと健診システム、電子カルテが稼働しており、それぞれにID番号が設定され、毎月パスワードの変更が義務づけられ、アクセス管理がなされている。
 委託業者の選定は病院側で行っているが、センターから業者評価表を病院側に提出し、適正な判断がなされるような仕組みがある。薬剤と診療材料については、SPD方式が採られ、日々の管理は看護師が行い、毎月1回薬剤師が確認している。
 安全衛生管理体制は適切で、職員の健康診断の受診率は100%である。防災訓練は病院とは別にセンターとしても実施しており、さらに原発災害を想定した訓練を年に1回実施するなど、地域の特異性も視野に入れた取り組みは評価できる。
 企業および健保組合に対しては、健診項目の提供だけでなく各種団体に対してセミナーを実施するなど、新規受診者の増加に向けても注力されている。ジャパン・マンモグラフィー・サンデーに参加し、地域に対して乳がん検診の普及に取り組んでいる。

2.受診者の満足と安心

 受付は、案内時間に時差を設けて混雑を回避している。受付手順や健診の流れの説明手順はマニュアル化されている。受付後、受診者には受診ボードが渡され、本人の検査一覧が挟み込まれており、個人情報保護の面にも配慮されている。
 施設内は、2つのフロアに検査室が広く配置され、階を移動する際もフロアごとに十分なアテンド機能があり、受診者が迷わないように動線も工夫されている。各ブース入口に医師や検査技師等の写真が掲示されており、担当者が明確である。
 レディースフロアでは、待ち時間対策として乳がん自己触診教育モデルを置いて、触診法への教育を深める指導を看護師が行っており、積極的な取り組みである。今後、乳がん検診を受診していない女性に対しても、同様の情報提供がなされるとより良い。
 プライバシーへの配慮については、計測エリアの視力測定ブースに仕切りがなく、受診者が並んで検査を受ける状況であり、パーティションの設置が望まれる。
 検体検査は病院と共有ラボで行われ、適切に管理されている。検査機器は始業点検と定期点検が実施され、トラブル発生時のマニュアルも整備されている。
 業務改善に関しては、各職種で構成されているグループ会議において検討され、アンケート調査結果などと併せて改善策を実効する仕組みが確立されている。採血エリアでは、ステンレス製の感染性廃棄処理のオリジナル箱などが作成されており、業務改善に積極的に取り組んでいることが確認できた。
 セーフティーマネージメントについては、病院の全職員がBLS資格を修得しており、定期的にAED講習を受け更新しているなど、積極的な組織体制が確立されている。救急カートの設置場所が内視鏡検査場所からやや遠く、途中通路にはコード類が置かれて移動の妨げとなることが懸念されるので、設置環境の改善が望まれる。感染対策マニュアルは病院と共同利用され、適切に運用されている。

3.人間ドック健診の質の確保

 医師と医療職員の配置は適切である。人間ドック健診専門医が健診に従事しており、その他の専門医や認定医の資格取得状況も適切に管理されている。事務職員は正規社員と派遣委託先の事務員が勤務しているが、人員配置は十分である。
 職員教育は、正規・非正規に関わらず教育プログラムが構築され、受診者サービスの質が維持されている。病院全体の研修会は済生会グループとして実施され、加えて健診センター内でも教育・研修が年間計画に沿って行われている。参加できなかった職員に対しては、職員用ポータルサイトで配信・自己学習する仕組みがある。医師や各医療技術職員等の専門職別の研修会プログラムと報告書は、書面にて適切に管理されている。
 検査項目は人間ドック学会の項目を基本とし、オプション項目も含め毎年確認され、必要時には見直しを行っている。検査結果の判定については、画像診断は二重読影の後、健診判定医が最終判定を行うことにより、事実上トリプルチェックが基本体制となっていることは評価できる。心電図判定は、判定基準に則って専任された医師が判定しており、判定内容によっては循環器専門医の指示確認を仰ぐ手順も明確であり、リスク管理は十分である。
 画像管理はデジタル化されており、過去データが比較参照しやすい。当日の医師による結果説明も、全受診者に対して過去データを参照しながら、十分な時間をかけて有効に行われており高く評価できる。保健師による保健指導も、74.5%と多くの受診者に実施されており評価できる。必要に応じて管理栄養士が栄養指導を行っている。
 受診後のフォローアップ体制も確立され、マニュアルも整備されている。紹介状の返信書類にて精密検査受診の有無を確認しており、未受診者への受診勧奨として再通知を送付している。生活習慣病関連項目で3~6ヶ月以内に再検査が必要と判断された受診者には、結果報告書に通知文を同封し、未受診者には再度通知している。がん発見数や精密検査受診率などは、健診センター内の会議でも報告されている。質問や対応内容も随時報告書に記載され、あわせて職員用ポータルサイトへも掲示され、スピーディな情報共有化が図られている。
 紹介先医療機関はリスト化されている。かかりつけ医を持つ受診者以外は、判定および診断内容により、専門医の紹介も必要に応じて行っている。
 人間ドック学会でも多数、学術発表されている。乳がん検診においては、乳房超音波検査の有効性を検証するJ-STARTに参画して1500例の実績があるなど、積極的な姿勢は評価に値する。

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