日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

社会医療法人石川記念会 HITO病院 総合健診センター

総合評価

 HITO病院総合健診センターは、愛媛県四国中央市にある病院併設型の健診施設である。昭和61年から健診を開始しており、平成25年に地域医療再生計画により病院が新築移転したことを契機に、「健診センターStep」として刷新されている。
 年間の受診者数は、一日ドックが約800人、二日ドックが14人(継続受診率86.0%)、その他の健診は巡回健診も含め約12,000人である。本機能評価は平成17年に初回認定を取得し、今回が2回目の更新審査である。
 基本的な運営体制については、ISO9001の認証を健診部門も含めた病院全体で取得しており、健診の質の向上と標準化を目的に、多くのマニュアルが整備されている。また、BSC(バランストスコアカード)を活用した明確な目標設定と評価が行われており、健診の質の向上に繋がっている。前回の機能評価更新時に課題とされた職務分掌の整備については、健診部門独自の詳細な職務内容が明文化され、責任体制も明確となっている。
 受診者の満足と安心については、受診者1人に1つの個室が提供され、待ち時間のプライバシーが確保されている。母体の病院はコンセプトに「病院らしくない病院」を掲げ、各所でモダンなデザインを採用しており、健診フロアも高級感のある落ち着いた空間が演出されている。一方で、X線検査等一部の検査では外来患者と動線が交わる可能性も有り、さらなる配慮を期待する。
 健診の質については、医師による当日の結果説明が、人間ドックだけでなくその他の健診受診者に対しても、ほぼ全員に実施されており高く評価できる。ドック受診者への保健指導は、看護師と管理栄養士により高い割合で実施されており、今後も更なる充実を期待する。また、フォローアップ体制は、受診者ごとに担当看護師を決め、次回受診までの1年間、継続的なフォローを行う体制が構築されている。積極的な取り組みと評価できるが、精密検査や追跡検査のデータ集積とあわせて、今後はそのしくみを十分に活用していくことを期待する。学会発表や論文作成をはじめとする情報発信にも積極的に取り組むことが望まれる。
 充実した設備と意欲的なスタッフがおり、キャパシティにも余裕があると思われるので、実施規模の拡大もあわせて今後の更なる飛躍を期待したい。
 総合的見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。
  

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 健診センター独自の基本理念や基本方針が作成されている。病院全体の行動規範「Human 1st.(患者様第一)」のバッジを全職員が付けて、意識の統一を図っている。職業倫理に関する規定は整備され、規定に反する行為は病院の委員会で対応されるが、健診センターからの参加はなく、体制の充実を検討されたい。受診者の権利は明文化され、具体的な方策がとられている。病院が策定する中長期計画や事業計画、事業報告等には健診部門に関する記載がほとんど無いが、月次ベースの試算表やBSC作成に向けた年間の集計表は作成されている。今後は健診部門単独の収支が明確になるような書類の作成を検討されたい。
 会議は定期的に開催され、詳細な議事録があり、回覧等で会議内容が周知されている。財務処理は病院主体で行われ、健診部門の月報等は病院の管理会議等でも報告されている。
 情報システムは病院が管理し、トラブルマニュアルも作成されている。健診システムのマニュアルは、健診センターの業務の種類毎に詳細に作成されている。個人情報保護の規程が整備されており、全職員対象に毎年1回、情報セキュリティ講習の受講が義務づけられている。システムへのアクセスは個人毎のIDとパスワードで管理され、2ヶ月に1回変更されており適切である。
 委託業務は病院が主体で管理しているが、年1回業者の評価を行い業者選択の資料としている。薬剤や医療材料等の在庫管理は病院と一体で実施されている。
 安全衛生管理体制については、職員の健康診断や防災対策が適切に実行されている。感染性廃棄物の処理はマニュアルがあり、保管庫や健診フロアでのバイオハザードマーク等の表示も適切である。
 企業・健保との契約は適切で、病院主体に地域住民向けの講演会の実施や院内広報誌の発行が行われている。今後は健診センター独自の取り組みや情報発信にも期待したい。

2.受診者の満足と安心

 利便性への配慮として、土曜日も隔週で健診が実施されており、マンモグラフィ検査は女性技師が行っている。受診の案内書はカラーでわかりやすい。受付時間は細分化して待ち時間を減らしており、受付の手順書はスタッフや受診者の意見を反映して随時改訂している。検査案内や質問への対応は、全職員が同様に対応できるように手順書で定められているが、今後、実際の対応記録をスタッフが共有するしくみを検討されたい。検査室や診察室に担当者名が明示されていないので改善を望む。
 健診フロアは清潔が保たれており、放射線と内視鏡検査以外はワンフロアで実施されている。ドック受診者には検査の合間に待機する個室が提供され、個室内には前回の受診データに基づいたサイズの健診着を事前に準備するなど、ホスピタリティが徹底されている。検査の流れは、健診フロアからの出入りや待機用の個室からの行き来があるため、動線がやや複雑である。昼食は8種類から選択できるが、カロリーや成分の表示がなされるとなお良い。施設内禁煙は表示も含めて徹底されており、病院の禁煙外来と連携した禁煙対策も行われている。
 プライバシーに関しては、計測室で複数の受診者が同時に検査を行うことがあり、間仕切りを設ける等の改善の余地がある。
 検体検査は外部委託しており、内部および外部精度管理の報告を受けて健診センターで管理している。検査機器は手順書に基づいて管理しており、トラブル発生時の対応も明記されている。
 受診者の意見は、年に6回アンケートを実施して把握しており、定例部署会で検討し、改善に繋げるしくみが構築され実績もある。病院の業務改善に関する小会議体のひとつに健診センターも属し、日常業務の改善に努めている。
 セーフティマネージメントの体制については、病院でマニュアルが作成され、インシデントやアクシデントを報告する仕組みがある。急変時に対応する仕組みは、健診独自のフローチャートを設けている。感染対策は病院と一体で取り組んでおり、職員への予防接種が行われている。

3.人間ドック健診の質の確保

 スタッフ体制は、医師数は適切であるが、健診に関わる医師に専門医等の取得が少なく専門領域がやや偏っているので今後の課題とされたい。医師以外の医療職についても同様に、専門資格の積極的な取得を期待する。、人間ドックアドバイザーが不在であったが、今年の6月に病院兼務の管理栄養士が取得の研修会に参加しており、今後の活躍に期待したい。
 教育体制については、病院に充実した教育システムがあり、健診センターからも出席率100%を目標に積極的に参加している。ただし、健診独自のプログラムや健診センターからの情報提供はほとんどないので、今後の検討課題とされたい。
 日本人間ドック学会が提示する基本検査項目は全て実施されている。画像は診察医と放射線科医の二重読影である。心電図は診察医が判定しており、病院の循環器医のサポート体制があるが、専門医の関与を期待する。眼底写真は外部委託で眼科医が読影している。基準値や判定区分は準拠していない部分もあるので、検討が望まれる。
 当日の医師による結果説明は、全受診者に対して、ほぼすべての結果を取り揃えて行っており評価できる。担当看護師が同席し、その後の保健指導やフォローアップに繋げている。保健指導は、看護師や管理栄養士により生活改善の指導や外来への受診勧奨などが実施されているが、今後は指導記録の整備や運動指導の実施についても検討されたい。
 受診後のフォローアップについては、後日の問い合わせへの対応を記録する仕組みに乏しいので、スタッフ間での情報共有を確実にするためにも今後の課題とされたい。二次検査指示者に対しては、同一の担当看護師が1年を通して経過管理や未受診者への連絡を行っており、精密検査や追跡検査指示者の結果集積などを一元管理するしくみは高く評価できる。ただし、実績が少なく、今後の継続に期待したい。眼底・眼圧検査の指示率がやや高いため、継続的に検討されたい。
 健診結果の集計や分析、研究等は積極的に行われているとはいえない。また医師をはじめとする学会発表や論文報告の頻度も少ないと思われる。スタッフのモチベーションアップをはじめ、業務内容の振り返りや取り組みの情報発信のためにも、更なる積極的な学会参加や研修会への参加を期待する。

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