日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

医療法人 大宮シティクリニック

総合評価

 大宮シティクリニックは、昭和58年に開業した診療所併設型の健診施設である。テナントビル30階のワンフロアを専有する施設は「天空のクリニック」を標榜するとおり、健診中に各所から雄大な眺望を楽しむことができ、天候のよいときには富士山やスカイツリーまでも望むことが可能である。ターミナル駅である大宮駅からはデッキで接続され、徒歩5分とアクセスは良好といえる。
 年間の受診者数は、一日ドック約29,000人、二日ドック約240人(継続受診率82.2%)、その他の健診が約22,000人である。本機能評価は平成17年に初回認定を取得し、今回が2回目の更新審査となる。
 前回の機能評価受審時に指摘された混雑への対応については、平成22年に同ビル内の14階から上層階へと移転した際に健診フロアの専有面積が倍増しており、スタッフ数の増加とあわせてスムーズな対応が可能となっている。今回の受審を機に、採血・血圧・視力検査場所でのプライバシー確保に更なる配慮がなされた。
 ISO9001(品質)と14001(環境)の認証を早期から取得しており、組織の基盤は充分に整備されている。健保の補助の無い受診者にも継続受診を勧奨する「シルバー倶楽部」がある。健診施設の高齢化社会に向けた取組みの一つとして評価できる。
 医師による面接が健診当日の午前中にほぼ全員に実施されている。これは開業当初からの方針であり、継続して高い実施率を維持していることは特筆に値する。ダブルチェック後の画像結果まで説明されており、内容も充実している。
 保健指導は、問診時に受診者全員に対して丁寧に実施されているものの、過去のデータに基づく指導が中心であり、今後は当日結果に基づいた保健指導についても体制の確立が必要である。
 また、精密検査や追跡検査は実施率に一部低い項目があるので、フォローアップの体制については引き続き検討されたい。
 人間ドック健診30年のノウハウを活かした施設レイアウトのもとで、理事長を中心に、適切かつ積極的な運営がなされている。常に新しいものを求める気風もあるので、今後も挑戦と研究を重ねて、人間ドック健診施設の規範となるよう、更なる取組みを期待する。
 総合的見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。
 
 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 ISO認証施設であり、各種マニュアル等があらゆる部門で詳細かつ適切に整備されている。コンプライアンスやガバナンスの面からは高く評価できるが、今後はより実務的なマニュアルの整備についても検討されたい。
 運営方針については、医療理念と基本方針が健診フロアに掲示されており、毎週職員全員で唱和を行い確認に努めている。受診者の権利として明文化されたものは無いが、フィルムの貸出しや結果の問い合わせ方法等の説明は、施設内掲示や送付物に記載されている。組織図で責任体制が明確にされ、またISOの維持に向けて品質を管理するためのマネジメントシステムがあり、組織体制は確立されている。料金の収受と会計処理も適切である。
 前回の機能評価受審時に指摘された、健診システム端末のセキュリティ対策については、職員個人ごとに付番されたIDとパスワードによりアクセス制限が強化されており適切である。
 委託業務は規程に基づき選定等が適切に行われており、チェックシートにより業務内容の評価検討も行われている。薬剤および診療材料の在庫管理も適切である。
 テナントビルが実施する防災訓練に加え、施設独自でも毎年避難訓練等を行い、災害への備えも進められている。感染性廃棄物の保管庫はパスワードにより厳重に管理されており、処分も適切である。
 企業や健保の担当者を招き、健康に関する講演会を毎年開催している。また、季節の健康知識や施設からの案内を掲載した「健康相談室だより」を定期的に発行するなど、外部に向けた積極的な情報発信の姿勢は評価できる。

2.受診者の満足と安心

 快適に受診するための配慮として、受診に際しての案内を事前に送付しており、受診前日や当日の注意事項がわかりやすく説明されている。受付は時間差で行われており、数人ずつを職員が誘導する仕組みで、混雑が緩和されている。各検査室には写真入りのネームプレートが設置され、担当者が明確になっている。健診フロアには案内係が6人配置され、コンピュータでの通過管理システムとあわせてスムーズな誘導が行われている。また、各検査室の案内板は色分けされてわかりやすく、受診者の動線もスムーズである。フロア案内図も掲示され、避難経路が明示されている。
 健診フロアは清潔に保たれており、絵画や観葉植物が配置されている他、フードモデルの展示もある。更衣室は一人ずつの使用が可能で、女性専用フロアも整備されている。毎日、午後には健康講座も開催されている。施設内の禁煙は徹底されており、併設のクリニックでは禁煙外来も設置されている。
 プライバシーへの配慮については、健診中に名前で呼ぶことを希望しない受診者には、番号で呼ぶ仕組みがある。面接・問診等は個室で実施されている。血圧・視力検査は磨りガラスで仕切られたスペースで実施されているが、今回の受審を機にパーティションの位置が改善され、検査中の手元が見えないように配慮されている。今後も、同時に2人の受診者が並んで検査を実施する場合等、継続的な配慮を期待する。採血コーナーでは検体が採血台の上に一時保管されていたが、今回の受審を機に人目に触れないよう保管場所が改善された。
 検体検査は施設内で実施され、内外の精度管理は適切に行われている。検査機器の管理も規程に従って行われている。
 業務改善については、年に2回、受診者や事業所、健保にアンケートを実施して満足度を把握している。調査結果については、関連部門で検討し改善に繋げる仕組みがあり、健診の質改善に向けた取組みとして評価できる。
 セーフティーマネージメントの体制は、規程に基づいて適正に構築されている。感染防止対策はマニュアルの整備に加えて、職員教育も定期的に実施されており、適切である。 

3.人間ドック健診の質の確保

 スタッフの体制については、全ての職種で必要十分な人数が確保されており、一日平均100人を超える受診者への対応や、受診者全員に対する医師面接を可能にしている。また、人間ドック健診専門医や人間ドックアドバイザーが常勤で在籍している。
 事務室・医局・読影室・健康相談室等が隣接しており、一部はオープンフロアで配置されている。医師と事務やコメディカル等、各部署のスタッフ間の連携が迅速かつスムーズに行われるための工夫であり評価できる。
 教育体制については、規程に基づき年間計画が策定されており、計画的に内外の教育プログラムに参加している。
 検査項目は人間ドック学会の基本項目を全て網羅しており、視野検査など新しい検査項目を標準項目に加える積極的な取組みも見られる。その他のオプション項目も多数設定されており、当日追加申込が可能な仕組みがある。
 画像診断はダブルチェック、トリプルチェックが行われてデジタル保存されており、結果説明時には過去の画像が随時表示可能である。
 健診結果の問い合わせ専用の直通電話があり、保健師・看護師が直接対応している。保健指導は問診時に過去のデータや問診内容に基づいて実施されており、今後は当日の検査結果に基づいた保健指導体制の確立を期待する。医師面接の後、希望者に管理栄養士による栄養指導が実施されている。また、同ビル内の提携ジムによる運動指導も希望者に対して行われている。
 受診後のフォローアップについてのマニュアルがあり、再検査や精密検査等の統計を把握する仕組みがある。一部実施数が少ない項目があり、今後、未受診者への受診勧奨など更なる積極的な取組みを望む。なお、追跡検査の必要な受診者には、レッドカードとイエローカードの二種類の案内や、項目毎の注意事項をまとめたリーフレットを結果発送時に同封して注意を喚起している。再検査や精密検査は主に併設のクリニックでスムーズに実施されているが、希望される受診者には地域の医療機関を紹介する仕組みがあり、地域医療機関との連携や情報交換も積極的に行われている。
 健診の有用性の検討については、視野検査とピロリ菌検査を希望者に無料で実施してそのデータを集計するなどの、新しいオプション検査の分析研究等が続けられており、人間ドック学会等への発表も積極的に行われている。 

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