日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

名古屋セントラル病院 人間ドックセンター

総合評価

 名古屋セントラル病院はJR東海が運営する企業病院として発足し、平成18年に現在地に新築移転した。病院のビジョンに「充実した救急医療と予防医療を提供する」を掲げ、人間ドックセンターを運営している。
 年間の受診者数は、一日ドックが約8,000人、二日ドック約340人(継続受診率84.8%)、その他の健診が約600人である。人間ドックの受診者の半数は経営母体のJR東海関係者である。本機能評価は平成17年度に初回認定を取得し、今回が2回目の更新審査である。
 病院の健診部門という位置づけで、運営の主体は本院であるため、基本的な諸規程類や人員体制は本院管理のもと適切に行われている。委託業務の管理体制は確立しており評価できる。関係法令に関わる届出等も適切である。
 受診者の満足や安心への配慮については、安全に検査が実施できる体制がとられ、システムによる誘導もスムーズである。
 前回の機能評価受審時に課題とされた、当日の医師による結果説明と保健師や管理栄養士による健康指導の仕組みづくりについては、改善に向けた取り組みが確認できるものの、いずれも実施率は低く、実施率向上や専門職の関与など継続的な取り組みが必要である。また、受診後のフォローアップ体制も引き続き重要な課題であり、今回の受審を機に受診勧奨の仕組みの見直しが図られたため、継続的な取り組みが強く望まれる。更には、人間ドックセンターとして、学会発表等の健診の有用性の検討への積極的な取り組みも期待される。
 総合的な見地から、課題について継続的な取り組みがなされること、特に医師の結果説明体制については継続的な実績の報告を求めることとし、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)と判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 病院の理念とビジョン、基本方針が掲げられており、人間ドックセンターとして職員の活動方針が定められている。センター独自の理念や基本方針を定め、受診者へ周知することを検討されたい。就業規則などの運営規程類は、運営母体であるJR東海の就業規則類が適用されており、職業倫理やハラスメント防止、個人情報保護等についても病院全体として取り組んでいる。受診者の権利も病院として定め、院内掲示やパンフレット、ホームページ等で受診者に周知している。
 中長期計画と年度事業計画、予算書、報告書は病院全体で作成されており、人間ドックセンターの取り組みについても明示され、月例会で検討されている。
 病院全体として組織図が作成され、委員会組織図とともに役割等は明確であり、センターの組織図も作成されている。今後はセンターとして独立した体制作りが期待される。情報管理体制については、健診システムも病院で管理され、サーバー室への入退出は制限されている。
 業務委託については、JR東海の役務契約マニュアルに沿って適切に業者選定、契約締結が行われている。委託業務従事者の教育等の実施も把握されている。受付業務は業務内容を明確にして業務委託契約を締結しており、月1度定例会議を開催している。
 薬剤及び診療材料管理は病院全体でSPDシステムにより適切に管理されている。
 安全衛生管理に関しては、健康管理や火災防災対策、廃棄物処理、機密書類処理が病院にて適切に実施されている。
 企業や健保組合との契約は、担当部署を明確に定め、適切に管理が行われている。また、名古屋市医師会病診連携システムを利用して、近隣の312医療機関と連携している。病院の広報誌作成に加え、近隣医療機関の医師を対象とした勉強会を隔月で開催し、地域住民を対象とした健康セミナーも年3回開催するなど、情報発信が行われている。

2.受診者の満足と安心

 受診者の利便性については、稼働日が月曜から金曜に限られているが、毎日乳がんと子宮がん健診の受け入れ可能な体制をとり、検査は女性技師が対応するなど、女性受診者の安心に配慮している。
 健診の流れは新システムのICタグにより管理され、効率よく快適に検査を受けることが出来る。センター外の検査への移動は職員専用エレベーターを使用し、病院患者と遭遇しない工夫がなされている。食事の提供場所は病院利用者との共同使用であるが、十分なスペースは確保されている。待合場所には雑誌等が置かれているが、今後は待ち時間を利用した健康に関する情報提供にも期待する。
 プライバシーに関しては、身体測定や血圧測定、呼吸機能、採血、骨塩定量がセミオープンスペースで行われ、待合との距離も短いので、検査場所が周囲から見えないよう更なる配慮を期待する。
 検体検査の精度管理は委託先で良好に行われ、検査機器の管理は病院の検査室や放射線室の担当者が管理し、トラブル発生時の対応も適切である。
 受診者の意見の把握については、意見箱がセンター内の職員から見える場所にひとつ設置されているのみであり、更衣室など職員の視線の届かない場所にも設置することを検討されたい。年1回、3日間のアンケートは回収率84%と高く、受診者の意見が業務改善に活用されている。前回の機能評価受審時の指摘事項に対しては、継続した取り組みが強く望まれる。
 セーフティーマネージメントについては、病院の各委員会が機能している。AEDはセンター外ではあるが、センターのすぐそばに設置されている。トイレにナースコールの設置も検討されたい。感染管理も病院と一体で取り組んでおり、B型肝炎ワクチンは必要に応じて実施している。

3.人間ドック健診の質の確保

 職員体制については、人間ドック認定医を含む医師2名体制で診察や結果説明を実施しており、病院所属の各種専門医が読影等を担当している。看護師が人間ドック専任で配置され、その他の職員は病院からの応援体制で運用されている。専門医資格や各種専門資格の取得更新がなされているが、取得状況の事務管理体制は改善が期待される。
 職員の教育については、病院職員教育研修委員会で研修一覧表が作成され、実施されている。また、外部の学会や研修会等への参加旅費規程があり、参加実績もあるものの、参加記録が保管されていないので改善が望まれる。
 検査項目は適切であり、今回の受審を機に内科診察時の腹部触診も適切な実施体制が整備された。結果の読影・判定については、病院の各専門医師により行われ、総合判定は人間ドックセンター専任医師が行う仕組みで、ダブルチェック体制がとられている。人間ドックの結果は健診システムで管理されており、3年分が経年的に表示され、数値の推移等が参照できる。また、胸部X線等の放射線画像や眼底、心電図も画像ファイリングシステムにより参照可能である。
 健診当日の医師の結果説明は医師2名体制で行われている。今回の受審を機に医師の関与を増やし、説明の開始時間を早め、また受診者にも呼びかける等、実施率向上のための体制整備がなされ、徐々に実施率が向上していることは評価したい。しかし、更なる改善の余地があるため、今後も継続的に取り組まれ、説明内容を充実させることや受診者の理解を得ることなど、体制の確立を求めたい。
 保健師や管理栄養士による健康指導は、特定保健指導を契約している団体の対象者のみに実施されている。人間ドック受診者に対する健康指導を実施できる体制作りを望む。
 後日のフォローアップについては、マニュアルが作成されているが、実際の運用は平成26年のシステム更新まで休止されていたりと、大きく改善は進んでいない状況である。今回の受審を機に、精密検査・追跡検査の指示者に対する受診勧奨の仕組みが整備されたため、継続的に運用できるよう、工夫した取り組みが必要である。上部消化管X線の精検指示率がやや高く、継続的な検討を望む。
 健診の有用性の検討については、人間ドック学会より提出が求められている調査に毎年報告しているが、独自の統計等の取り組みや、人間ドック学会での発表等が期待される。

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