日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

独立行政法人 地域医療機能推進機構 札幌北辰病院

総合評価

 独立行政法人地域医療機能推進機構 札幌北辰病院 健康管理センターは、平成2年の新築移転時に現在の場所に開設され、平成26年に独立行政法人地域医療機能推進機構の発足により現在の体制となった。地域住民のニーズに応え、予防医療の一翼を担っている。最寄り駅から徒歩3分の近さに位置し、駅から屋根付きの歩道が整備されているため、雨や雪に晒されずに行き来できるアクセスの良さである。
 年間の受診者数は、一日ドック約1,200人、二日ドック約30人(継続受診率60.2%)、その他の健診が約15,000人である。本機能評価は平成17年に初回認定を受け、今回は2回目の更新審査である。
 運営のための基本的な体制については、病院主体の管理のもと、健診部門も関与しており、概ね適切である。今後、健診部門としてより積極的に内容の把握や病院との連携を図ることにも期待したい。
 プライバシーへの配慮に関しては、身体計測や採血、視力検査がオープンスペースで行われており、間仕切りやレイアウトの変更を検討されたい。
 結果説明は内科診察時に行っており、全受診者に対して実施している。当センターでは人間ドックだけでなく、簡易健診を含むすべての健診受診者に対しても結果説明を行っているのが特徴である。今後は、説明時間や内容の更なる充実を期待する。
 要精検と要治療の指示者へのフォローアップとして、ハガキによる受診勧奨を行っているが、精検実施率は概ね50%未満であり、受診勧奨の方法や頻度についても再検討されたい。また、追跡検査指示者へのフォローアップは、今回の受審を契機に体制を整えたところであり、新システム構築後の運用に期待する。
 医師や保健師等が積極的に予防活動に力を注いでいる姿は好感が持て、今後も北海道地区の人間ドックの発展にさらに貢献されることを期待する。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 理念と基本方針及び受診者の権利は明文化され、施設内に適切に掲示されている。就業規則や倫理規定も法人統一のものとして作成されている。中長期計画と年度事業計画は作成されているが、予算書は病院と一体となっており、健診部門としては作成されていない。
 前回の機能評価受審時の指摘事項である組織図は改善され、健診施設の各部門の管理者が明示されたものが作成されている。健診全体の管理・運営に必要な会議は定期的に開催され、財務・会計処理も適切と判断できる。
 情報機器へのアクセス制限は適切であり、サーバーは事務室に設置されているが、入室記録が取られ管理されている。委託業務はすべて病院側が一括管理しているが、健診施設の意見を反映させる仕組みはある。薬剤と診療材料の在庫管理も病院側が一括管理し、棚卸等も行われている。
 安全衛生管理は病院側と一体となって行われ、健診施設の担当者も参加している。法令に基づく関係監督官庁への報告は適切に行われており、職員の健康管理や防災訓練、感染性及び産業廃棄物の処理も適切である。
 企業や健保との契約は適切で、情報提供も行われ、地域住民との関係も適切である。
 

2.受診者の満足と安心

 利便性に関しては、毎月第二日曜日にも健診を実施している。レディースデーを毎週水曜日の午後に開設しているが、人間ドック受診者は対象外であり、今後の枠の拡大等も期待したい。
 受付や検査案内はマニュアルに基づき行われている。受付時間は時差を導入しているが、早めに来院した場合は指定時間まで待機させており、柔軟な対応も期待したい。
 受診者の既往歴等の注意点は、電子カルテでいつでも供覧でき、安全性が確保されている。
 施設の空調は定期的に測定しているが、空調に関する管理基準の設定を望む。
 プライバシーへの配慮については、身体測定と採血、視力検査が一つのオープンスペースで実施されており、採血場所はパーティションの間仕切りがなく、2列で行われている。それぞれの場所を区切る配慮が望まれる。
 検査の管理体制は確立しており、検査機器に関しては、業務マニュアルが作成されている。トラブル発生時の対応は概ね適切であるが、放射線検査のトラブル発生時対応マニュアルの作成を望む。
 受診者の意見の把握のため、期間限定のアンケート調査や、ご意見箱が常設されている。病院にTQM委員会が設置され、業務改善のしくみが整備されている。
 セーフティーマネージメントの体制は、病院と一体で確立しており、事故やインシデントが報告され、委員会で検討されている。感染防止対策は確立しており、職員へのワクチン接種も漏れなく実施されている。

3.人間ドック健診の質の確保

 スタッフ体制は、人間ドック認定医が業務に従事しており、保健師のうち1人は人間ドックアドバイザーを取得している。管理栄養士は病院に所属しているが、今後、健診への関与を期待する。
 職員教育については、医師及び医療職に対する研修体制は整備され参加記録も保管されているが、事務職員は主に非常勤のため研修プログラムが整っていない。プライバシー等の必要な研修は、回覧にて情報を提供する等の工夫が必要である。
 一日ドックの検査項目は、平成27年度より人間ドック学会の基本検査項目に沿った内容に変更された。検査結果の判定については、画像はダブルチェック体制であり、心電図は必要があれば併設病院の循環器科の医師がチェックする体制である。
 健診当日の医師による結果説明は、内科診察時に全受診者に対して実施している。人間ドックだけでなく、簡易健診を含むすべての健診受診者に対して結果説明を行っているため、医師1人で多数の受診者を担当することになり、1人当たりの面接時間は5分程度である。実施率は優れているので、内容の充実を望みたい。なお、二日ドックはほぼ全項目について説明が行われている。
 医師から指示があった受診者に対して、保健師による保健指導、管理栄養士による栄養指導が実施されている。今後、実施率の更なる向上に期待したい。
 受診後のフォローアップについては、精密検査や治療が必要な受診者には紹介状を発行しているが、実施率は概ね50%未満である。精密検査の未受診者は把握されており、ハガキにて受診勧奨を行っているが、受診勧奨の方法や回数は再検討されたい。眼底眼圧検査の要精検指示率がやや高く、継続的な教育研修や機器の整備等に取り組まれたい。
 追跡検査のフォローアップについては、自施設での再検査実施分は紙ベースで記録保存されているものの、体制としては今回の受審を機に整備が開始されたところである。新システム構築後は、他施設も含めて再検査実施状況の把握が可能になるため、それらの情報が受診者の数値改善や、結果説明・指導の評価に活用されることを期待する。
 健診の有用性の検討については、学会の調査研究に協力しており、学術大会や近隣医療機関のセミナーにも参加している。人間ドック学会での演題発表もなされており、今後も論文発表など更なる取り組みに期待する。
 
 

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