日本人間ドッグ学会

  • ホーム
  • よくある質問
  • お問い合せ

総合評価・領域別評価

公益財団法人 三越厚生事業団 三越総合健診センター

総合評価

 三越総合健診センターは、昭和22年に設立された三越厚生事業団の一部門として健診を行ってきた。現在の施設は新宿駅に近いテナントビル5Fのフロアをほぼ専有しクリニックも併設する。駅からは地下道でも結ばれており交通アクセスは至便である。
 年間の受診者数は、一日ドック・生活習慣病健診を中心におよそ23,000人である。二日以上のドックは実施していない。平成16年に初回認定を受け、今回が2回目の更新審査である。
 平成23年には公益法人の認定を受け、その準備過程において各種規程や個人情報保護等、コンプライアンスの管理体制が刷新された。信頼される施設の運営を確実に行うための基盤が充分整備されており評価出来る。研究活動が活発で、健診で得られたデータを分析して研究を行い、その成果を受診者や一般の方に広くフィードバックするというサイクルが確立されている。「健診と研究を通して生活習慣病の予防に寄与する」と謳う公益事業の目的が体現できており、予防医療の発展へ貢献する取組みとして高く評価したい。
 生活習慣病健診を中心に実施しているが、今後、人間ドック健診についても質を高めていこうとする意欲を感じた。多数設定されているオプション検査は、パンフレットやHP上で検査の内容等が詳しく説明されており、当日の追加も可能である。受診者が選択できる様に配慮されている点は評価出来るものの、実施数は少ない。人間ドックコースのさらなる充実を期待する。
 前回更新時の課題として、職員教育体制の充実があげられていたが、年間計画を策定し、毎月1回全職員対象のプログラムを開催する等改善が確認出来た。今後は内容の充実等さらなる取組みを期待する。
 当日結果説明率は90.9%と前回更新時に比べ大幅に改善している。ただし尿検査の説明のみ行われておらず、さらなる工夫や検討が必要である。保健指導については、将来的には管理栄養士の配置や保健師の人間ドックアドバイザー資格取得なども視野に入れ、今後の更なる保健指導体制の発展に繋げられたい。
 受診後のフォローアップは併設の診療所を中心に実施しているが、他の医療機関の受診希望者に対しては、紹介状の発行や追跡調査の体制が確立されておらず改善を望む。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定(更新)に値すると判断する。
 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 運営方針については、基本理念や受診者の権利が定められ、受診者と職員双方に周知されている。
 事業計画書は、詳細かつ具体的で実現性の高い内容の記載がされており、向こう1年間の方向性を内外に向けて明確に提示できている。事業報告書も事後評価と課題が明確にされており、ホームページでは一般にも開示されて広く公開されている。いずれも作成にあたって綿密な検討分析が行われており高く評価したい。
 会議体系は明確で定期的に開催されており、詳細な議事録が残されている。
料金の収受や会計処理は責任体制が明確で、本部と連携して適切に処理が行われている。
 情報システムの管理体制については、サーバー室は施錠管理され、入退室を記録するノートで管理している。入退室管理やアクセス制限についてさらなる検討を望む。
 委託業者の管理は業務の評価書面としての記録として残されたい。薬剤等の在庫管理は適切に行われている。安全管理では、職員と受診者双方を対象として、帰宅困難者対策と非常時の備蓄品対策がしっかりと講じられており、大規模災害への具体的な備えとして適切である。感染性廃棄物や個人情報書類の処理は適正にされている。
 企業や健保の担当者を対象に「健診報告懇話会」を毎年1回開催し、健診統計分析等の情報提供が継続して行われている。また、一般に向けては、無料の「健康セミナー」等を毎年数回開催し、健康に関するタイムリーな情報を提供している。年報にもこうした取組みや健診統計の分析が詳細に掲載されている。平成24年にリニューアルしたホームページ上でも、検査の流れや検査項目の説明などがわかりやすく掲載されており、様々な方法で広く情報提供が行われていることは評価できる。

2.受診者の満足と安心

 男性受診日と女性受診日が分けられ、それぞれ週3日程度に定められている。受付や検査の手順、トラブル発生時のマニュアルなどが作成されており、受診案内書や健康調査表はわかりやすく作成されている。
 検査の流れは決められており、離れた検査室間を移動する必要があるため、検査の動線が少々複雑である。各検査は経験豊富な熟練技師を中心にスムーズに実施されている。
 健診フロアには、健康に関するDVDが放映され絵画や写真も展示されている。清潔に保たれているが、外来診療所と健診センターとの境界にドアや仕切りがなく、患者と受診者の導線を明確に区分する意味合いから、表示方法等を工夫されることを望む。
 プライバシーについては、問診室や審査室では簡易なパーティションで仕切られており、継続的な配慮が必要である。検査の管理体制は整えられており、検査機器の管理も適切である。
 業務改善については、ご意見箱を設置しているが投書数は少なく、今後はアンケート調査を頻回に実施する等、受診者の意見に基づく業務改善を望みたい。
 セーフティマネージメントと感染対策については、マニュアルを作成し、事故防止委員会において必要な安全対策を講じている。採血時の手袋使用は徹底を望む。

3.人間ドック健診の質の確保

 スタッフ体制は、人間ドック認定医である所長がひとりで一手にこなしているが、少々多忙すぎる印象を受ける。保健師・技師の配置は適切であるが、管理栄養士は配置されていない。職員教育は年度計画の下、実施されているが、時間外に開催されるとのことで全職員が参加できていないのが現状である。
 検査の判定は、担当医と放射線医によるダブルチェックがなされ、心電図、眼底写真も専門医師により適切に判断されている。健診結果や画像データはサーバーで適切に管理され、比較読影も容易に出来る。
 当日の医師による結果説明は、前回は5%程度だったが、今回は90.9%と改善されており、ひとりあたり、10分~20分かけている。尿検査の結果が結果説明までに間に合わないことがあり、自宅や来院直後での採尿などの工夫が望まれる。保健指導は医師が実施できない場合、保健師が実施している。
 受診後のフォローアップの体制は確立している。フォローは併設の診療所で行っているが、その他の医療機関への紹介体制は十分とはいえない。大学などへの紹介は行われているが、精密検査の把握率や他施設での追跡検査の実施については積極的にフォローされていないのが現状であり、対応が望まれる。
 健診データの集計による独自の調査研究が永年にわたり継続して行われており、その成果は、人間ドック学会をはじめ、各種学会等で積極的に発表されている。また、施設内でも事務部門も含めた全部署の職員による研究課題発表会を毎年行う等、活発な取組みが続けられている。 

<<<機能評価認定施設一覧へ戻る

PAGE TOP