日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

一般財団法人 柏戸記念財団 ポートスクエア柏戸クリニック

総合評価

 一般財団法人柏戸記念財団ポートスクエア柏戸クリニックは、景観の良い千葉ポートサイドタワーの27階に所在する、診療所併設型の健診施設である。当財団は昭和34年に設立され、昭和38年には集団検診、昭和45年には人間ドックを開始するなど、早くから公衆衛生の向上に努力されてきた。本機能評価の受審は今回が初めてである。
 年間の受診者数は、一日ドック約11,400人、二日ドック約180人(継続受診率86.7%)、その他の健診が約9,400人である。継続受診率の高さから、職員全体の日々の努力が受診者に安心と満足を与える結果となっていると評価できる。
 運営主体は財団本部にあるが、人間ドック施設として独自の理念を掲げ、受診者に周知している。今後は、経営指針、事業計画等を確立し、職員に対する周知や経営参加への意識づけを行い、更なる積極的な事業運営がなされることを期待する。各種規定・マニュアルは存在するが、作成日・改定日・改定基準等を整備されたい。職員への情報開示が自主性とされている点は、組織として積極的な情報提供を期待する。
 運営主体が財団本部にあるためか、受診者満足度の更なる向上に向けた分析や評価が十分とは言えない。経営方針を職員へ周知し、職員からのアイデアを導入するなど、受診者満足度の向上と新規受診者獲得のための一層の取り組みを期待する。
 健診の内容は適切なので、手順の明文化や検討の記録を残すことにより職員全体に周知徹底し、今後業務の質が更に向上していくことを望む。
 検査結果は適切に判定され、当日の医師による結果説明はほぼ全ての受診者に実施されており良好である。しかし、健康指導や事後のフォローアップ、受診経過の追跡などは今後の充実が課題であり、その方法を含め体制の再考を求める。
 総合的な見地から、人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。

領域別評価

1.基本的事項と組織体制

 人間ドック施設として独自の理念・基本方針を掲げ、クリニック入口に受診者の目線に合わせて大きく掲示しており、受診者への配慮と評価できる。今後は職員への周知や、見直しの仕組みの文書化を望む。就業規則をはじめとした各種規定が作成されているが、職員への周知方法や、規定に反する行為が生じた際に相談できる仕組みが整備されることを期待する。
 予算書は健診部門独自で計画されているが、財団本部の中長期計画が抽象的であるため、事業計画は明確でなく、健診部門の意見が反映されているかも不明瞭である。今後の整備を望む。
 組織体制については、組織図が作成されているが更新日時の表記がない。健診全体に関する討議の場が定期的に設けられているが、会議内容の職員への周知は不十分である。職員数は概ね適切で、管理栄養士は現在不在だが補充予定である。
 職員の教育研修は実施されており、今後も継続した研修を計画的に実施されたい。また、研修の実績統計や参加者の記録、効果測定等に取り組まれ、教育管理体制が確立することを期待する。人間ドック健診専門医が健診に従事し、その他の専門医等の資格取得もなされており良好である。
 業務改善については、各部署や会議でそれぞれ検討され実施されている。今後は、部署間で連携を図って改善に対する分析や評価を行うなど、単発的ではなく継続的な改善活動に繋がる仕組みも検討されたい。
 企業・健保組合との契約は適切であるが、より積極的な情報提供を期待する。渉外と保健師等が連携し、一般市民への広報活動にも努力されたい。

2.受診者の満足と安心

 プライバシーへの配慮については、検査は個室で実施され、プライバシーに関する教育も適切と判断でき、今後も継続的に質の向上が図られることを期待する。尿検体は、氏名が他の受診者の目に触れる可能性があるので、更なる配慮を望む。
 受付、健診の進行、問い合わせ対応等の手順は定められているが、その内容を簡明な文書として整備し、周知が図られることを望む。
 受診後のフォローアップについては、精密検査が必要な受診者に対して、緊急の場合は電話連絡を行い、それ以外は受診案内を同封している。受診の有無が確認できない場合の追跡は積極的に行われておらず、仕組みの充実が望まれる。また、要経過観察の場合も受診案内が同封されているが、経過を把握し次回健診等に活用する仕組みも検討されたい。
 受診者の意見は、ご意見箱等で収集して改善に繋げている。また健診の進行は、検査室の配置を含め概ね効率的で良好である。それらの手順について明文化され、体制が確立することを期待する。
 受診環境としては、空調管理、清掃を含めて良好と判断する。食事は近隣の提携施設の食券を配布しており、今後は、受診者の参考になるよう食事内容についても健診施設として関与できるとより良い。宿泊は提携ホテルを利用しているが、夜間の連絡体制を文書化して明確になるようホテルと協議中であり、より高い安全と安心を提供できる体制の確立を期待する。

3.健診の質の確保

 検査の担当者は明示されており、女性専用検査には女性の検査技師を配置するなど、検査体制は適切である。
 診察と結果説明は健診当日に医師により行われており、判定のダブルチェック体制も適切であるが、手順等が明文化されることを期待する。心電図・眼底写真は専門医による判定が行われている。
 健診項目については、定期的な検討の実施と検討内容の職員への周知を望む。
 保健指導は主に医師が行っているが、栄養指導や運動指導も含め、保健師や管理栄養士等による専門的な指導を健診施設としては期待するところであり、今後の充実が望まれる。
 健診成績の取り扱いや提示・保管の方法は適切であるが、その内容について文書化して周知されたい。
 検体検査の精度管理は概ね良好であるが、その結果を共有し活用されることを期待する。機器の点検管理、感染管理も良好であるが、手順や責任体制がより明確になるよう、文書形式を含め検討されたい。感染性廃棄物の保管場所は施錠されているが、鍵の管理は持ち出し記録等を整備されたい。
 健診の有用性の検討については、学会発表が積極的に行われており評価できるため、今後も健診のエビデンス構築に向けて努力されることを期待する。
 

4.運営の合理性

 検査項目と料金は案内・パンフレットに明示されている。会計処理や結果報告は適切に行われている。
 情報管理に関しては、各職員がパスワードをカードキーで管理しており、入退室管理やアクセス制限等が厳重に行われている。サーバー室は2ヶ所設置され、リスク対策が取られており適切である。
 安全衛生委員会は毎月1回開催され、職員の健康診断、防火訓練も含め管理されている。事故やインシデント等の報告書は存在するが、職員の相談件数やインシデントの内容等、安全衛生に関する統計は十分ではない。今後は、統計管理も積極的に行い、総合的な安全管理を目指されたい。
 受診者の統計資料は、年報で判定・所見等の統計が取られているが、年齢・性別・受診項目等、運営の合理性を判断できる統計処理がやや不足している。
 委託業者は適切に管理されており、更新の際に再検討の場を設けている。今後は、選定にあたる公正な基準を明確にし、また委託業務従事者への教育も検討されることを望む。医療材料、薬剤は在庫管理されている。

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