日本人間ドッグ学会

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総合評価・領域別評価

医療法人創健会 西村診療所

総合評価

 医療法人創健会西村診療所は平成11年に開設された施設であり、今年で16年目となる。施設はJR京都駅ビル内のホテルテナント施設であり、駅に直結しており、交通アクセスは大変良い立地である。
 年間の受診者数は一日人間ドックが約10,000人、二日ドックが約40人(継続受診率80.7%)、その他の健診が約10,000人である。本機能評価は今回が初回審査である。
 組織運営のための基本体制としては、受診者の権利及び具体的な方策の設定をはじめ今回の初回審査を機に、整備・作成された事項が多く、今後の継続的な取り組みが期待される。また中期計画や予算書などの作成や、会計処理の担当者の責任の明確化などが求められる。
 受診者の満足と安心では、身長と体重、血圧の測定がオープンスペースで行われており、間仕切りを設置するなど、プライバシーに配慮した工夫が必要である。また、空調適温設定基準がやや不明確である点や宿泊施設の夜間及び緊急時の対応、アンケート調査の開封方法などの取り決めを明文化することが望まれる。
 健診の質では、人間ドック受診者のほぼ全員に医師による当日結果説明が実施されていることは評価できる。今後は、保健師等による保健指導の実施が期待される。
 当診療所は今回が初回の審査であり、これを機に体制を整備し、マニュアルを作成した事項も多いようである。これらについては継続的な取り組みを期待したい。またフォローアップ体制の構築については、今回の受審を機に整備されたため、経過および実績の確認が必要である。
 以上、総合的見地から、一部改善後に人間ドック健診施設機能評価の認定に値すると判断する。 
 

領域別評価

1.施設運営のための基本的体制

 今回の機能評価受審を機会に、理念と基本方針等が作成された。ホームページや施設入口に掲示して受診者へ周知されているが、職員へは入職時のみなので周知方法を検討されたい。倫理委員会は部門長会議において議題として取り上げ対応しているが、相談窓口を設置するなどの改善が望まれる。なお、受診者の権利については、今回の受審を機に明文化された。
 中長期計画や予算書等は理事会議事録に記載があり、年に一度理事長より事業報告や目標について職員に説明が行われており、理事長のみが把握している。
 責任の所在が明確になった組織図が作成されて運用されている。また、健診全体の管理会議として毎週部門長会議が開催され、また、健診運営に関する議題に関してサブミーティングが開催され、検討されている。窓口での現金出納や請求書作成等に関する担当者は明確になっているが、施設内の周知方法については、検討されるとよい。
 情報システムでは、マニュアルが作成され、トラブル発生時の連絡体制も明確になっている。個人情報管理では、プライバシーマークを取得しており、適切である。委託業者の選定手順が作成されており、年に一回個人情報保護の観点からも委託業務従事者の教育等について確認されている。薬剤や診療材料は在庫管理手順と在庫一覧により、発注と検収が行われており適切である。
 安全衛生管理では、職員の定期健康診断受診率は100%で、雇い入れ時健康診断も実施されている。但し、放射線技師について、フイルムバッチによる被ばく量は管理しているが、電離放射線健康診断は実施されていないとのこと。
 火災や震災に対する対策は、ホテルテナント施設でありホテル全体で一括管理されている。感染性廃棄物は委託契約業者により適切に処分されていることがマニフェストで確認できた。プライバシーマークの取得施設であり、個人情報に関する書類は規定に基づいて処分されている。
 企業や健康保険組合との契約は適切で、今後は、企業や健康保険組合、受診者等に積極的な情報の提供が必要である。

2.受診者の満足と安心

 利便性では、土曜日及び第二日曜日に健診を実施しており、13時受付や17時受付のイブニングドックも行っている。乳がん検診は毎日実施されているが、子宮がん検診は毎日ではない。問診票は二回目以降の場合、前回の回答が表示されており、前回と回答が異なるもののみにチェックする方式になっている。これは、受診者からの要望であり、工夫と改善が見られ、優れている。
 更衣後に診療受付にご案内をしているが、診療受付の掲示があるとなおよい。診察室と検査室には担当者の名前が明示されており、適切である。
 施設環境については、空調の温度管理基準が「26度設定」であり、冬期と夏期の区別はなく、実測も行っていない状況で、さらなる配慮を期待する。また、宿泊ホテルでの夜間や急変時の対応については、ホテル側が院長の携帯電話に電話をすることになっているが、明文化はされていない。契約書等に加筆されたい。
 プライバシーに関しては、名前での呼び出しを希望しない受診者は、総合受付に申し出ることになっているが、それ以前に来院順に名前を記載させて、総合受付では名前で呼び出しを行っており、しくみを見直されたい。また、受付付近の廊下で、身長と体重、血圧を測定しており改善が望まれる。検体についても、検体立てのまま運んでおり、運搬用の容器に入れるなどの配慮が望まれる。
 検体検査および検査機器の管理体制は確立している。
 アンケート調査は毎日全受診者に実施しており、100%の回収率ある。毎日開封しており、日によっては1日2回開封し検討しているとのことであるが、回収や開封の手順などはマニュアル化するとなおよい。
 セーフティマネージメントではマニュアルを作成し、救急カートAEDなど緊急時の対応も整備されている。インシデント・アクシデントレポートはインシデント等が発生していないため、作成されていない。感染対策ではマニュアルを作成し、インフルエンザとB型肝炎ワクチンの接種が適切に実施されている。

3.人間ドック健診の質の確保

 医師の体制は整っているが、今回の受審を機に勤務医らの資格取得状況を確認したところであり、今後組織的な管理が行われることを望む。看護職員は内視鏡検査と採血検査に専念し、保健指導を行う人材が確保できていない状況である。 
 職員教育では、全職種を対象に定期的に内部で研修会を行っており優れている。学会や外部の研修会に参加できる規定は整備されているが、参加記録が保管されていないため、記録に残すことと外部研修への積極的な参加を期待する。
 検査項目は適切で、任意項目については、定期的な見直しは行っていないが、必要に応じ項目の見直しを行っている。画像は放射線科医と人間ドック健診専門医のダブルチェックで、心電図と眼底写真は人間ドック健診専門医が読影を行っている。判定は人間ドック学会の判定基準に準拠している。
 当日の医師による結果説明は、ほぼ全員に一人当たり平均8分で、マンモグラフィを除くほとんどの項目について説明を行っている。保健師や看護師による保健指導は行われていないが、管理栄養士が57.4%の受診者に栄養指導を実施している。
 受診後のフォローアップに関しては、精密検査や治療が必要な受診者には、健診当日に紹介状を発行しており、返信についてはカルテに反映されている。フォローの体制は、対応手順を作成し、本年度5月より対応を開始したところである。追跡検査のフォローも今回の機能評価の受審を機にシステムを構築しており、その運用が待たれる。
 健診の有用性については、院長が統計をとり職員の勉強会に使用しているが、学会での発表や論文はないため、今後学会での発表を期待する。

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